うちの無限ループ


うちの無限ループ


「あらー、また入ってきたんですか?」

 リビングの床でシマシマシッポがくつろいでいた。
 台風のあとから、こうしてシマシマシッポがときどき家の中に入ってくるようになってしまった。
 困ったなー、と思いつつも、特に困るようなことはしないので、放っておくことにした。

 家の中にいても、シマシマシッポは寝ころんでいるだけだ。
 僕に見つかっても反応はない。
 自然体でくつろいでいる。

「うーん? ここは自分の家だと思ってるんですか?」

 警戒する様子もまったくない。
 僕が近づいても目をつぶったままだ。

 ここまで無防備だと、ちょっかいをだしたくなる。
 ごろんと転がして、あお向けにさせる。
 それでも抵抗はしない。

 前足を握ってバンザイをさせてみた。
 それでもぎゅっと目をつぶったままだ。
 お腹をサワサワ触っても変化はない。
 どんなにちょっかいをだしても無抵抗だった。
 意地でもリラックスしてやる! というようなわけのわからない状況になっているようだ。
 ここまで無防備なのは、やっぱり珍しいんじゃないかと思う。

「ふーん、性格なんでしょうか。猫にもいろいろいるんですね」

 うちの猫にこんなことをしたら、めちゃくちゃに怒られてしまう。
 シマシマシッポを存分に触って、僕は買い物に出かけた。


 帰ってくると、シマシマシッポが庭の生け垣の側にいた。
 前足を揃えて、ピンと伸ばして地面に触れさせている。
 何かを押さえているようにも見える。

「何してるんですか?」

 と声をかける。
 前足の先にいたのはトカゲだった。

 シマシマシッポが軽く前足を持ち上げると、トカゲが動きだす。
 それを見て、ペタッと前足をのせる。
 するとトカゲは動かなくなる。

 延々とそれを繰り返していた。
 よく見ると、シマシマシッポはトカゲを押さえるときも肉きゅうタッチだった。
 狩りをしているという雰囲気ではない。
 野良猫だから、ちゃんと狩りはできるはずだと思うけど、トカゲはオモチャの扱いなのかもしれない。
 優しく肉きゅうで押さえているおかげで、トカゲはいつまでも元気なままだった。


 一方、うちの猫は二階にいた。
 開けっぱなしのトイレの窓に座って、たそがれている。

「最近ここがお気に入りですよねー」

 と聞くと、「ニャッ! ニャッ!」と返事が返ってきた。
 かなりご機嫌な様子だ。
 ストンと窓から飛び降りて、僕の前を歩き始める。
 振り返って、「ニャッ!」と鳴きながら。

「うん? なんでしょう?」

 ついていくと、リビングの窓へ向かう。
 そして、「ウウーン」と甘えた声を出している。
 これは「外に出たいの」という合図だ。

「外に出たかったんですねー。はい、暗くなる前に帰ってきてくださいね」

 と窓を開けて見送った。

 コーヒーを飲んでから、二階へいくと、先程出ていったはずのうちの猫がいた。
 トイレの窓でたそがれている。

「あっ、そこから入れるんですね」

 そういえば、最近うちの猫が「家の中に入れて!」と騒いでるのを見ていない。
「外に出して!」と言われて、窓を開けた記憶しかない。
 こういうことだったのか、と納得した。

「ニャッ! ニャッ!」

 と鳴いて、うちの猫が窓から飛び降りる。

 ――えっ? まさかこれは……。

 うちの猫についていくと、リビングの窓の前で「ウウーン」と甘えた声を出していた。

「さっき出たばかりじゃないですか。というか、入ってきたところから出ればいいんですよ? もう、どうしたいんですか……」

 と言いつつも、窓を開ける。

 ――いま二階に上がると、またループしそうな気がしますね……。

 そんなことを考えながら、シッポを立ててご機嫌なうちの猫を見送った。
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小説家になろうに、猫のエッセイを投稿しています。
かわいいです。
うちのかわいいかわいい猫
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アルファポリスでは、ファンタジーの連載を初めてみました。
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