うちのモコモコちゃん


うちのモコモコちゃん


 庭の芝生で、シマシマシッポが寝転び、僕を見つめていた。
 目をパッチリ開けて、しかし警戒している様子はない。
 頭の上にハテナマークが浮かんでいるような表情をしている。

 ――うーん、なんかこれって……。前からこんなでしたっけ?

 と僕はシマシマシッポを観察した。
 シマシマシッポの顔が丸い。
 首から腕にかけてのラインはなだらかで、起伏がない。

「おデブちゃんになりましたよねー?」

 と僕は言った。
 シマシマシッポは「何言ってるの?」という顔だった。

 毛皮が秋冬ものになっているのかもしれない。
 からだがモコモコになっている。
 でも、明らかに太ってもいた。

「どれどれー? ちょっと触りますよー」

 と持ち上げるとかなり重たかった。
 ボスよりも重い。

「おおっ、これはかなりのものですよ。いったい何を食べてこうなったんですか?」

 と抱えたまま話していると、うちの猫を見つけた。
 庭の端でくつろいでいる。

 ふと思いついて、シマシマシッポをうちの猫の隣に並べた。
 比べてみると、うちの猫よりもひとまわり大きくなっている。

 ――これなら重いはずですね。こんなに大きくなっていたんですね。このあいだまで子猫だったのに。

 シマシマシッポは、もう立派な大人の猫になっていた。

 うちの猫は、しばらく隣にいるシマシマシッポをうさんくさそうににらんでいた。
 そして我慢できなくなったのか、「シャアァ!」と鳴いて、追い払ってしまった。
 どうやら力関係はうちの猫の方が上らしい。

「あはは、仲良くしましょうねー」

 うちの猫は僕の言葉に鼻を鳴らして、シッポをブンブンと振った。
 地面に叩きつけている。
 相変わらずの態度だ。

 モコモコになることもないし、大きくもなっていない。
 だが、以前よりも周りの猫と仲良くできていることは知っていた。
 ときどきパンチをしてしまうところは変わらないけれど……。


 夜の寒さが少しずつ厳しくなってきた。
 ようやく季節が変わった実感が沸いてくる。

 ――そういえば、毛布を出していませんでしたね。

 いまのうちに、と押し入れから毛布を取り出した。
 押し入れの前の廊下に畳んだ。
 あとで二階へ運ぶつもりだ。

 ちょっとひと休み、とコーヒーを飲んでいると、うちの猫の姿が見えた。

「あ、ご飯食べますかー?」

 と僕はカリカリの準備をした。
 シマシマシッポに対抗するわけではないけれど、もうちょっと食べた方がいいのかな、と思ったのだ。
 うちの猫はチラリと見るだけで、カリカリには反応しなかった。
 廊下をウロウロしている。
 気になるものがあるらしい。

「ん? なにかありました……ああ、これですか」

 いつのまにか、うちの猫は毛布のうえでくつろいでいた。
「やっぱりこれ! 毛布のモコモコって最高よね!」という感じで幸せそうに目を閉じている。

「毛布好きですもんねー。でもこれ、いまから運ぶんで、降りてもらっていいですか?」

 僕が毛布に手をかけると、「何するのよ!」という顔で、にらんできた。
 前足を踏ん張って、落ちないようにしている。

「あのー、わかりました……」

 毛布のうえから移動するつもりはないようだ。なので、機嫌を損ねないように、慎重にバランスをとって、うちの猫を乗せたまま、毛布を二階へ運んだ。

「ハアハア、これでいいでしょう」

 ベッドのうえに毛布を置いて、ひとまず夜の寒さ対策は完了だ。
 うちの猫はそのままベッドに寝転んで、うっとりしている。

「喜んでもらえてよかったです。そんなに毛布が好きなら、今度から一緒に寝ましょうねー」

 と声をかけると、うちの猫は目をパチパチさせて、逃げだしてしまった。

 ――フムム。

 そういうのはダメらしい。

 ――まあそのうちチャンスはくるでしょう。

 と僕は思った。
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小説家になろうに、猫のエッセイを投稿しています。
かわいいです。
うちのかわいいかわいい猫
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